―― 菊地成孔・大谷能生 『東京大学のアルバート・アイラー』 (メディア総合研究所) ――

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2005年08月30日  「エスクワイア」10月号

現在発売中の「エスクワイア」10月号のメイン特集であるニューヨーク特集で、菊地さんが「アメリカの文化的鎖国政策が生んだ“黒いフィフティーズ”」と題してマイルス・デイヴィスについての記事を書いています。

第二次大戦の勝利の裏で醸成されたビーバップもまた「逆のアメリカ音楽」「黒いフィフティーズ」として、ドミノ・セオリーに取り憑かれ、レッド・パージに明け暮れた「文化鎖国としての北米の'50年代」が生んだものだ。この、ジャズ史の最初の断層に「南部の黒人でありながら有産階級」というアンビバレンスを心身に染み込ませたマイルスが順応できなかった事。そして、ビーバップの堕天使であるチャーリー・パーカーが亡くなってリリースされたマイルスの欲望が、やはり同じく「文化的な鎖国(民族性の抑圧による、民族性の幼児的幻想化=箱庭化)」状況の下に生み出された「モード」という、音楽史上初の「幼児的な民族性回帰(モードはピアノを使ってアフリカやスペインや日本を手軽に呼び出す、ワールドミュージックの箱庭遊びのような精神性に基づき、後に何度も繰り返される)」という手法を駆使して作られた、あらゆる有色人種の歴史に対するファンタジーに基づいていたこと(『ポーギーとベス』『スケッチズ・オブ・スペイン』等の芸術至上主義的、民族統一感覚!)、そして'50年代のアメリカは放任主義の親のようにそれを許し続け、マイルスがそれに答え続けた事。ここが重要だ。

ちなみに菊地さんはゴダールの新作『アワーミュージック』の宣伝塔役みたいなことになってますが(笑)、この号には弊社主催の「CON-CANムービーフェスティバル」審査員でもある「カイエ・デュ・シネマ」誌編集長ジャン=ミシェル・フロドンと、蓮實重彦元東大総長が『アワーミュージック』をお題に対談したものも掲載されています。なんか、蓮實氏がひたすら「赤いバッグを提げた乙女」にこだわってるのが印象的な対談ですが。

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投稿者 jazzlogic : 2005年08月30日 13:05

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